3.5/7MHz用SDRフロントエンドの試作

JH7UBC 2020.5.23


3.5MHz帯と7MHz帯の2BAND用のSDRフロントエンドを試作しました。
ダイレクトコンバージョン方式でミキサーには、アナログスイッチ74HC4066を使います。
局部発振は、3チャンネルクロックジャネレータSi5351Aを使い、位相差90°の信号をミキサーに加えることによりIQ信号を得ます。
Si5351Aの制御には、PIC12F1822を使っています。
回路図です。

PIC12F1822とSi5351Aの間は、I2C接続です。I2Cの場合、SCLとSDAは、プルアップしなければなりませんが、
今回は、PIC12F1822の入力をPIC側でウィークプルアップに設定して、プルアップ抵抗を省略しました。
また、BAND切り替えスイッチも同様にウィークプルアップしてプルアップ抵抗をなくしています。
電源は、乾電池2本(3V)で、アナログスイッチは、抵抗で分圧してバイアス電圧を加えてあります。
アンテナから直接アナログスイッチに信号を加えても良いのですが、今回は、FT-37#43でインピーダンス変換をし、
信号の電圧をアップしています。これにより出力が6dBほどアップしました。
出力したIQ信号をパソコンにマイク端子に入力し、SDRソフトで処理すれば、CW、SSBなどの信号が復調されます。

ブレッドボードです。

こんな簡単な回路でほんとうにアマチュア無線の信号が聞こえるのでしょうか。
実際に7MHzのアンテナに接続して受信テストを行いました。
SDRソフトは、シンプルで軽いRockyを使いました。
7MHzの場合の局部発振周波数は、7.040MHzにしましたので、RockyのView→Setting→DSPを開き、
singleBANDで周波数を7040000に設定します。
マイク入力のレベルを調整して、受信します。
7MHzを受信したときの画面です。
中央が局発の周波数です。右側に山状に見えるがSSBの信号、左側の線状のピークがCW信号です。
カーソルを移動し信号でクリックするとCW,SSBが復調されます。(モードを設定しておく必要があります)

Si5351Aを制御するPIC12F1822のプログラムについて、簡単に説明します。
以前にテストしたPIC16F883 Si5351A VFOのプログラムを周波数固定にして、パラメータを計算して簡略化して使用しました。
発振周波数は、固定で、7.040MHzと3.5375MHzです。BAND SWによって発振周波数切り替えます。
CLK0とCLK1に位相差90°の信号を出力します。位相差を与える方法は、こちらをご覧ください。
位相差90°の信号を得るために7MHzでのPLL周波数は、700MHzに3.5MHzでのPLL周波数は400MHzとし、位相差を与える値を微調整しました。
3.5MHzと7MHzの位相差信号のリサージュ図形です。

3.5MHz

7MHz

ほぼ90°です。

PIC12F1822のプログラミングは、MPLABX IDEでXC8コンパイラを使っています。
参考までにプログラムを掲載します。こちら(テキストファイルです)
まだ、試作段階ですので、今後変更するかもしれません。ご承知ください。


2019.3.24  

回路をユニバーサル基板に組み、簡単なケースに納めました。


2020.5.1

仮ケースからタカチのケースYM-150に納めました。


内部です。



電源は、3.3VのACアダプターがあったので、電池との2Wayとしました。


2020.2.23
PIC12F1840 Si5351A BS170 7MHz CW TX と組み合わせて、交信するために、通信型に改良しました。
改良点は、KEYがLOWになった時に受信機がスタンバイするようにしました。
ただ、これだけですと、送信機がキャリブレーション時受信機OFFになり、キャリブレーション信号を受信できません。
そこで、キャリブレーション時に受信機を強制的に受信状態にするように、トグルスイッチを追加しました。
トグルスイッチは、キャリブレーション時は、RX側に、トランシーブ操作をするときは、TR側にします。
回路図です。
電源は、電池と外部電源の2Wayとしました。

外観です。トグルスイッチが一つ追加されました。

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